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耳鼻のお悩みQ&A

耳のお悩み

Q. 5月の連休にダイビングを楽しみに沖縄に飛行機でいきました。数日前からかぜ気味で鼻がつまる程度でしたが、ダイビング後沖縄から飛行機にのり伊丹空港に降りる時、耳が痛くなり大変でした。どうしたのでしょうか?(22才 女性)

A. 列車でトンネルを通過した時や車で高い山に登った時など、耳がつまった感じや、耳が痛くなった経験をお持ちの方は多いと思います。特に航空機の場合には、上昇、降下などによって機内の気圧が変化するため、耳が痛くなることが多く見られます(特に下降時)。通常地上の気圧が1とすると、上空の航空機内の気圧は0.9気圧となり着陸すると1気圧に戻るはずが、鼻炎などのため耳管(鼻と耳の間の管)がつまると着陸しても鼓膜の内側の気圧が0.9のままとなり鼓膜が内側に凹んでしまいます。このため炎症が起こり耳閉感や耳痛をきたす状態を航空性中耳炎と呼んでいます。大部分は軽く済みますが、風邪や、アレルギー性鼻炎などがあると重症になります。対処法としては、水などを飲む、アメなどをなめる、ガムを噛む、欠伸をする、首を左右に動かす、アゴを上下に大きく動かすことや、スキューバダイビングで用いられているいわゆる「耳抜き」(バルサルバ法)を行います。この耳抜きはあまり強くしたり、頻回にすると鼓膜に傷をつけることになり、逆効果となりますのでご注意下さい。当院では風邪を引いている人やアレルギー性鼻炎の人に、搭乗前や着陸前(ベルトサイン点灯前)に点鼻薬やスプレーをお渡しし噴霧してもらって、軽く済ませるようにしています。また、眠っていると唾の飲込みなどの嚥下運動が、起きている時よりも極端に少なくなるので、気圧の変化が大きい降下時に起きていることも重要です。

Q. 2才の自分の男の子に鼻水がでてきたあと、右耳が痛くなり近所の耳鼻科で急性中耳炎といわれました。ウイルスのかぜでおこったのでしょうか?細菌でおこったのでしょうか?(32才、女性)

A. 最初は、ウイルスによるかぜ症状だったのかもしれませんが、子供さんに見られたような耳鼻科領域の急性感染症の主な原因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス、溶連菌といわれています。特に耳鼻科の診療で極めて頻度が高い急性中耳炎、急性副鼻腔炎の気炎菌である肺炎球菌、インフルエンザ菌では、抗生物質に対して効果が少なくなるという薬剤耐性化が急激に進行しています。ペニシリン耐性肺炎球菌の検出率が60-80%、ペニシリン耐性インフルエンザ菌の検出率が40-60%といわれ、特に5才以下の小児において極めて高くなり、治療に苦労する時があります。適切に治療するためには、細菌検査やその菌の各種抗生剤に対する効果の有無を判断する感受性検査は不可欠になります。

Q. 夏になると耳がかゆくなり、 耳かきやテイッシュで耳を触っていると耳から膿がでてきます。止めようと思うのですが痛くなるまで触ってしまいます。なぜでしょうか?(44才 男性)

A. 耳の中の皮膚は、奥へ行くに従って非常に薄くなっています。そのため、耳掃除などでいったん傷がつくと、再生が悪くなかなか治りません。また、毛包(毛の根本を包む細胞)、皮脂腺や汗腺など、分泌を行う組織が数多くあり湿度も高いため、これらの組織に細菌(外耳道炎)やカビ(外耳道真菌症)が繁殖してしまい炎症を起こしついには膿をつくります。つまり、にきびやおできと同じものが外耳道内にできるのです。耳かきや爪などの外部からの刺激による感染がほとんどで、夏季に多くみられます。細菌検査を行うと黄色ブドウ状球菌が頻繁に認められます。 時には難治性の緑膿菌や多剤耐性黄色ブドウ状球菌(MRSA)が原因菌となり、治療に苦労します。いじりすぎると外耳道炎は湿疹状態になり、かゆくなってまた患部をいじってしまう悪循環がおこりますので、外耳炎や外耳道湿疹はこじれるとなかなか治りません。耳鼻咽喉科ではまず耳あかやカビをきれいに掃除してから、抗生物質を含んだステロイド軟膏や点耳薬、抗真菌剤を塗る治療を行います。それを何度か繰り返すことで、大抵の外耳道炎や外耳道真菌症はよくなります。まれに、綿花でつくったタンポンで耳の中にできたおできを圧迫したり、抗生剤の点滴をしなければいけない場合もあります。

Q. 夏が終わっても、耳がかゆくなり、耳かきやテイッシュで耳を触っていると耳から膿がでてきました。耳が詰まった感じになり耳鼻科に行くと、外耳道にカビがいるといわれました。治りますか?(36才 女性)

A. 室内・室外を問わずカビはいたるところに存在していますので、人間の体のどこでも生えてきます。特に湿度と温度の高い外耳道はカビのよく繁殖する場所(外耳道真菌症)です。シックハウス症候群の問題でもカビによるアレルギー症の問題でも同じですが、多くの被害者は室内で長い時間を過ごす主婦、子供や老人達です。また耳を過度に掃除をされる方にもよく繁殖します。通常カビが目で見て生えていない場合でも、室内空気1m3当り150cfu~500cfuは存在していますが、例えば子供部屋やお年寄りの部屋で目に見える位にカビが繁殖しているとその値は2倍~10倍にもなり、ダニも多く繁殖しています。そうなると殆どの子供や老人は何らかのアレルギー疾患に悩まされてしまいますし、いったん、耳の中にカビが繁殖すると、その治療として毎日耳を洗浄したり、抗真菌剤を使ったりかなり時間と労力が必要になりますが、そのほとんどが治ります。糖尿病の方や免疫力の低下している方にはさらに注意が必要です。カビが目で見える位に繁殖していたら、カビの対策を考えましょう。夏型の特徴である好乾性のカビ汚染(梅雨時から秋にかけて室内に見かけ、あらゆるものの表面にふわふわした緑色や白色のカビ)は湿度のコントロールとエタノール系除菌剤を用いた掃除で対策ができます。冬の結露によるカビの汚染や水周りのカビ対策は、建物の仕上材にカビが菌糸を伸ばしていることが多く、本格的な対策が必要となります。最近では、ご家庭のカビの菌の種類と数量を特定することが可能ですので。ご家庭のカビの菌の種類と数量を特定し、検査結果に合わせた対策をしましょう。

鼻のお悩み

Q. 耳鼻科に行き、蓄膿症といわれました。どんな病気でしょうか?(41才、女性)

A. いわゆる「ちくのう症」とは、蓄膿症と書き、副鼻腔に膿がたまっている状態を指します。正式には、副鼻腔炎といい、ほとんどが、慢性ですが、風の後に、ひたい、鼻の奥や、頬のところが痛くなったりするものは急性副鼻腔炎といいます。もともと慢性副鼻腔炎のある人がこういう状態になったりすることを慢性副鼻腔炎の急性増悪といいます。耳鼻科での通院による鼻の処置や鼻の奥を食塩水で洗う副鼻腔洗浄をおこない、ネプライザーによるお薬の吸入と薬の服用が基本になります。ひどい急性副鼻腔炎には抗生剤の点滴が必要となる場合もあります。通常急性であれば1~2週間の治療期間となり、慢性であれば2週間~1ヶ月の抗生物質等の内服期間が必要なこともあります。長期間の内服が必要となる場合は、主にマクロライド系と呼ばれる抗生物質の長期間少量投与治療を行ないます。(耳鼻咽喉科で広く行なわれている治療法で、長期間の内服でも比較的安全です。)鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合は手術となります。

Q. 3才の男の子ですが、鼻だけがつまり口をあけていますがどうしたらいいでしょう。(32才母親)

A. 熱もなく、元気で遊んでいるのに鼻づまりだけ治らないということもあります。鼻つまりにはいろいろな病気でおこりますが、お家ではなかなか治せないことも多いことがあります。その時は耳鼻科へ来てください。耳鼻科医は鼻の中をみることで病気を判断します。鼻の奥に粘っこい鼻水が固まると家庭ではとれないため、一度耳鼻科に行って吸引して鼻水を取るだけでもちがいます。鼻水だけの出る疾患を挙げるとしたら、慢性鼻炎、副鼻腔炎、もしくはアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎はもう生後数ヶ月からあります。1才以下なら、病気がなくても温度の差とか、乾燥だけでも鼻が過敏になります。4-5才以上になると鼻の奥にある副鼻腔が発達し副鼻腔の炎症(いわゆる蓄膿症)にもかかります。耳鼻科医はできるだけこの副鼻腔というところにある鼻水も取り去ることをします。処置中にお子さんはいったん嫌がっても、その後とても気持ちがよくなります。そしてその夜やすらかに寝て頂けるようになります。耳鼻科で鼻水を吸引で取るのは、非常に効果があるので一度耳鼻科を受診されて吸引だけでもして頂いたらいかがでしょうか?

Q. 1週間前にかぜをひいた後、右のおでこの部分と右目の奥が痛くなりました。下を向くと右目が圧迫される痛みがあります。友達から蓄膿ではないかと心配されています。よく起こる病気なのでしょうか? (25才、男性)

A. 急性副鼻腔炎(急性蓄膿症)は急性上気道炎に続発して起こることが多く、外傷、飛行機やダイビング後の急激な気圧の変化、インフルエンザ等の急性伝染病や歯科疾患の部分症としても発症します。通常、一側性副鼻腔特に頬部を裏打ちする上顎洞の炎症が多く、次いで眼球の近くにある篩骨洞やおでこの部分にある前頭洞にみられ、稀に鼻の奥にある蝶形骨洞にみられます。頻度は結構多く、週に3~4人ぐらいは受診されます。特にご質問の様な方は、耳鼻科以外の脳外科や眼科を先に受診されてからCTやMRIで診断されてこられる方も多いです。治療はその炎症の程度によりますが、大事な点は抗生剤の適切な選択と投与方法でかなり治療に奏効するか差がでてきます。通常なら、3~4日でめどがたち、1-3週間で終了します。どうしても保存的な治療に抵抗する時や炎症を繰返す場合は、上顎洞の洗浄や鼻内内視鏡手術を勧める場合があります。

Q. 15才の息子がよく鼻血を出します。どこから出るのでしょうか?(39才 母)

A. 鼻の中(鼻腔)は、左右を鼻中隔という障子みたいな柱で分かれています。ほとんどの人では多少曲がっていますので、鼻づまりを起こしたり、炎症を悪化する原因になります。特に欧米人に比べて、日本人の鼻中隔の曲がりは強く問題となりやすいです。この鼻中隔の粘膜には粘膜のヒダである鼻甲介とともに、すった空気の温度を調整するため血管が多く分布しています。特に鼻中隔の鼻孔に近い前の部分には細い血管が密集しているため、鼻をかんだり擦ることにより簡単に出血してしまいます。最近の子供さんはアレルギー性鼻炎の頻度が高く、鼻をかむ等で粘膜の傷をつけることも多い様ですが、鼻腔を観察するとすぐわかります。最近、ある動物園でゴリラのゴンちゃん(200kg)を麻酔させ、鼻腔を内視鏡で観察する機会がありました。残念ながら、鼻の奥は粘膜がはれてよく観察できませんでしたが、鼻の低いゴンちゃんの鼻中隔は日本人と同じく強く曲がり、そこを傷つけると鼻血が出てしまい少しあわてました。

のどのお悩み

Q. 昼食時の天丼を食べた際、えびのしっぽを飲み込んでしまい、のどにひっかけてしまいました。つばを飲むとチクッと痛いのですがどうしたらいいのでしょうか? (65才女性)

A. 例年夏になると、うなぎの骨をのどにひっかけてよく受診されます。それも大人も子供もうなぎは大好きなため、うなぎの骨をのどにつまらせる方の年齢は2歳から90歳と幅が広いように思います。しかしながら、今年(平成24年)は、うなぎの値段が高いのか、7月以降うなぎの骨を飲み込んでこられる方は少なく質問の方のようにえびの尾や小魚の骨をつめてこられる方が多い様です。うな丼をたべるより天丼を食べる方の方が多いのでしょう。食事中魚骨をひっかけたと思われた時にすぐすることは、口の中のものを飲み込まないでください。できればコップに水を入れトイレに行きうがいをしてすべて吐き出してください。決してご飯の丸呑みや自分の指を口の中にいれ骨を取ろうとしないで下さい。限りなくこれで取れる可能性はありません。自分で取れない場合は耳鼻科専門医にいって骨を確認後摘出してもらってください。食道をはじめ咽頭、喉頭、気管の異物は慎重に対処する必要があります。のどの異物は簡単に取れることが多いのですが、中には大変苦労する時があります。

Q. 約6ヶ月前から、血の混ざった痰が続き、のどの奥にひっかかった感じがよくなりません。水分を飲む事や食事はできるのですが、心配です。どんな病気があるのでしょうか?(65才、男性)

A. 血痰や喉の違和感を主訴として多くの患者さんが受診されます。その多くは咽頭または喉頭の粘膜に赤みのある炎症性変化による咽頭炎や喉頭炎の状態です。また副鼻腔炎(蓄膿症)で、膿がのどの後ろに流れる後鼻漏により咽頭・喉頭粘膜の炎症が持続している際にもおこります。さらに、季節により花粉アレルギー等のアレルギー症状でおこることもありますが、いずれも直接咽頭や喉頭を観察すればほとんど診断がつきます。 これらの炎症性変化の他に腫瘍性の病気でも頻度は少ないですが同じような症状で来られることがあります。1年間に3-4名ですが毎年頚部食道癌の患者さんを見つけていますし、咽頭癌、喉頭癌や甲状腺腫瘍の方も結構おられます。血痰がある方には肺癌や結核の可能性もあります。幸いにも咽頭、喉頭、甲状腺、頚部食道などに病気が無いのに、のどに何かがひっかかったような感じがする場合には咽喉頭異常感症という病名がつきますが、これは女性に多いのも特徴です。逆流性食道炎によって異常感を訴える場合もありますので、最近では食道粘膜の観察も大切だと考えます。この他性風俗の変化に伴うSTD(Sexually Transmitted Disease)、なかでもクラミジア感染症が咽喉頭異常感を示しますので血液検査で抗体価を調べることもありますが、基本は腫瘍の存在を除外することが大切で内視鏡での観察、頚部の触診や甲状腺エコーで検査はかかせません。

Q. 夕食をたべていたら、飲み込んだ野菜(大根)がのどでつまりました。柔らかいのでなんとか飲み込めましたが、またつまるのではないかと不安になります。なにか病気がのどにあるのでしょうか? (74才、女性)

A. いろいろな検査が必要です。まず耳鼻科的に鼻の孔から内視鏡ファイバーを挿入し、咽頭部から下の声を出す声帯のある喉頭部分までに問題がなければ、食道癌も疑います。食道癌の場合、食道の粘膜にとどまる早期の癌では無症状なことが多いですが、進行すると食道がしみるような感じや胸がチクチクする感じを自覚することがあります。その後は食事がつかえる、背中の痛み、咳が出る、声がかすれるなどの症状を認めるようなります。特に体重減少などがあるなら要注意です。このような場合、胃食道の内視鏡検査は必須です。食道癌は50―60才台の男性に多く見られる病気で、日本では毎年15,000人の方が食道癌にかかっています。発生する頻度では癌全体の3%といわれ、鼻や咽頭部から発生する頭頚部癌の頻度が4-5%ですので耳鼻科医から見ると結構多い数字になります。原因として強い酒、タバコ、熱い飲食物などが考えられ、刺激物を好んで飲む人に多い傾向があります。 逆流性食道炎や食道粘膜と同じ扁平上皮から発生する頭頚部癌になった方も注意する必要があります。 治療は食道外科の専門医にお願いしていますが、耳鼻科にも患者さんが受診する可能性が高く、今年(平成22年)になり、男女各1例づつ当院でも食道癌の患者さんを発見し治療してもらいました。

Q. 社会人になり月に一度のどが痛くなります。病院にいくと扁桃炎といわれ抗生剤をもらい治りますが、翌月にはまた痛くなり嫌になります。なぜでしょう?(23才 女性)

A. 最近このような方が多いように思います。俗に扁桃腺といわれるものは、正式には口蓋扁桃と呼ばれ、のどの両側にある体のリンパ組織の一部です。このリンパ組織は子供さんの体をウイルスや細菌などの外敵から守る免疫反応を起こす重要な働きを担っていて、外敵と反応して炎症を起こします。この炎症反応が口蓋扁桃で強く起きるのが扁桃炎です。通常抗生剤で炎症を抑えますが、一年間に4、5回以上ひどい扁桃炎を繰り返すようだと、口蓋扁桃を取る手術の適応と言えます。20年以前は子供さんの時によく手術をしていたのですが、最近子供さんの手術を控える傾向にあるためかえって大人になってから扁桃炎で苦しむ方が多いです。扁桃炎の度に高熱を繰り返すようなら手術をされた方がよいでしょう。また、口蓋扁桃が大きすぎるとのどが狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸の原因となることがあります。このようなときにも口蓋扁桃の摘出術が勧められます。のどには口蓋扁桃の他にも沢山のリンパ組織が分布しています。したがって、手術で口蓋扁桃を取ってしまっても、他のリンパ組織が代わりを務めるので、一般的には体に悪い影響はありません。手術をすれば、ひどくのどが痛くなったり高熱が出る扁桃炎を繰り返すことはなくなります。現在は、入院での全身麻酔下の1-2時間の手術で入院期間は4-7日程度です。

Q. 同居している25才の彼が、先日風俗店に行った後より下半身の異常を感じ泌尿器科で淋菌と診断されました。私も淋菌に感染しているのでしょうか? 特に口に感染しているかが心配です。(28才、女性)

A. 当医院でよくある質問です。性感染症(STD)患者数は厚生労働省の報告では年間患者総数は65万人(男性30万人女性35万人)で、その半数以上は10代後半から20代といわれています。STDには、梅毒、単純ヘルペスウイルス(HSV)、HIV、淋菌やクラミジヤ等がありますが、患者数が最も多いクラミジアと第2位の淋菌は、オーラルセックスを介して咽頭にも感染します。近年性行動が多様化し、オーラルセックス専門性風俗店が気軽に利用される現在、口腔や咽頭のクラミジア、淋菌感染症は無視できなくなり、性器感染はないものの口腔咽頭のクラミジア、淋菌感染の陽性患者が蔓延しているという報告もあります。淋菌とクラミジア検査として、当院では口腔咽頭粘膜を綿棒(咽頭スワブ)で採取してその遺伝子核酸増幅法を用いた方法を採用し1週間で結果がわかります。

Q. かぜをひいた時、咳が長く続き声がでなくなりました。仕事で無理に声を出せば出るのですが、すぐ出なくなります。どうしたのでしょうか? (29才、女性)

A. 仕事中に声がだすことができないのは、ストレスがたまります。発熱などのかぜ症状とともに、咳があり声がかれてきて出せなくなることがあります。これは急性喉頭炎といって、気道の炎症によって、分泌が低下し、声帯が乾いてしまうことにより、一時的な声がれとなるものです。実際に声帯がはれている場合もあります。また、かぜを引いた後で副鼻腔炎(蓄膿症)がよくおこります。このため鼻からのどに落ちる後鼻漏が声帯部分にまとわりつくことも多く声がれの原因になります。多くの場合3-5日でよくなりますので、この間無理な発声をひかえて耳鼻咽喉科でかぜの治療を受けましょう。高齢の方は、痰を取り除くために水分補給も大事な治療になります。耳鼻咽喉科に行くと、実際に声を出す声帯を内視鏡で見せてくれます。多くの声帯は赤くなっていたり、はれていたりするのがわかります。まれではありますが声帯の神経にウィルスがついて、反回神経麻痺を起こすことがあります。この病気は甲状腺腫瘍、肺ガン、食道ガンなどによっても起こる病気ですので詳しい検査が必要です。その他にも、声の使いすぎで声帯ポリープや喉頭肉芽腫過緊張性発声障害などの病気になることもありますので、なるべく早く耳鼻咽喉科専門医に相談しましょう。

Q. 以前から胸やけがありましたが、のどの違和感がひどくなってきました。つばを飲み込むと上手くいかないときがあり、近くの診療所で逆流性食道炎の可能性があるといわれました。どんな病気でしょうか? (38才、女性)

A. 胸に焼けるような不快感を胸やけといいますが、首のつけねの下あたりが痛む、つかえるとか圧迫感を感じることもあります。胸やけのおこる原因のほとんどは、胃酸と関係し、食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレス過多等で一時的に胃酸が多くなるとおこりますが、その他に胃や食道の働きが悪くなり、胃液が食道へ逆流して胃液の胃酸が食道粘膜のただれを起こす場合を逆流性食道炎といいます。さらに、その上の喉頭部分の粘膜がただれて炎症をおこすこともあり、のどの違和感や咳、声が嗄れたりすることもあります。高齢者に多いのですが、太り過ぎや食べ過ぎで太ったお腹のため胃が上に圧迫されると胃液が逆流しやすくなりますし、夜食を食べた後すぐに横になることもよくありません。食道癌や胃癌でも同じような胸やけのおこることがありますので、食道から胃の内視鏡検査で逆流性食道炎を確認することが大切です。当院でもこの症状の方には、喉頭部分を含めて食道の上部部分は可能なかぎり見ていますが、意外とこの逆流性食道炎の方が多いのには驚きます。

Q. 先日、肺の病気のため全身麻酔の手術を受けました。その後から声が嗄れてうまく声が出せません。よくなるのでしょうか? (72才、男性)

A. いくつかの可能性が考えられます。手術の後からということですから、全身麻酔を維持するのための呼吸管理に使用する挿管チューブによる影響があります。長時間喉頭部分の声帯を挿管チューブにより圧迫すると、声帯が腫れてしまい術後短期間ですが声が嗄れてしまいます。また、同様の原因で、喉頭内の軟骨の脱臼や声帯を動かすための神経を圧迫してしまい声帯の動きが妨げられ声が出しにくくなります。これらの頻度は少なく、なかなか手術前に予想できません。その他、肺の手術、食道や甲状腺の手術では直接声帯を動かす神経を損傷する可能性があります。神経麻痺が起こると声帯が固定してしまいますのでうまく声がでません。診断は容易で、鼻からファイバースコープを挿入し声帯部分を観察します。治療は、術後すぐならステロイド剤を投与して声帯の腫れ、神経麻痺の改善を期待します。かなり期間が経過しているなら、喉頭の手術(甲状軟骨形成術、披裂軟骨内転術、脂肪注入術)等を考えます。

花粉症のお悩み

Q. 今年の春のスギ花粉症は軽かったので、ほっとしていますが、来年はどうでしょうか?

A. たしかに、今年のスギ花粉による症状は軽い方が多かったのですが、今年の秋のブタクサ等による秋の花粉症は例年よりもかなりひどいようで多くの方が受診されています。自分の経験上、秋の花粉症の人が多い時は翌年のスギ花粉症はひどい方が多くなると予想します。ウェザーニューズでも「スギ花粉の雄花生産量が前年の夏の天候(日照時間、最高気温、降水量)と相関の高いことがわかってきており、中でも日照時間が雄花生産量と関係が深く、今夏は太平洋高気圧の日本付近の張り出しが非常に強く、記録的な猛暑になったうえ、日照時間も長かったため、2011年の花粉飛散量が多くなると予想される」としています。来春の花粉飛散量は全国的に今年の5倍の飛散量になるとの予測が出され、近畿では 10倍になるとの予測されていますが、淀川西側にあたり、京都と大阪の中間に位置する枚方、寝屋川地域はもっと多くなるのではと心配しています。レーザー治療などで症状軽減の予防対策をお勧めします。

Q. スギ花粉小の5才の息子が、よく鼻血を出します。どうしてでしょうか?(29才 母)

A. スギ花粉が飛ぶ2月から4月にはいろいろな症状がでてこまります。大人でも鼻が痒くなり、無意識にさわってしまいますが、子供ではなおさらです。鼻の中(鼻腔)は、左右を鼻中隔という障子みたいな柱で分かれています。ほとんどの人では多少曲がっていますので、鼻づまりを起こしたり、炎症を悪化する原因になります。特に欧米人に比べて、日本人の鼻中隔の曲がりが強く問題となります。この鼻中隔の粘膜には粘膜のヒダである鼻甲介とともに、すった空気の温度を調整するため血管が多く分布しています。特に鼻中隔の鼻孔に近い前の部分には細い血管が密集しているため、鼻をかんだり、擦ることにより簡単に出血してしまいます。最近の子供さんはアレルギー性鼻炎の頻度が高く、鼻をかむ等で粘膜の傷をつけることも多い様です。特に睡眠時に鼻を手でこすったりしますので、子供本人は気がついていません。また、日中でも子供さんが指を鼻に入れていないでしょうか。これは鼻がつまっていたり、痒いときにする人間の本能的な行為なのですが、指が細いため簡単に粘膜を傷つけてしまいます。この傷は鼻腔を観察するとすぐわかります。

Q. 枚方の1号沿いにあるマンションに昨年引っ越して以来、春のスギ花粉症がひどくなりました。なにか道路を走る車の交通量と関係があるのでしょうか?(32才、男性)

A. スギ花粉症の原因がスギ花粉そのものであるとすると、裏の原因に挙げられているものとして、ディーゼルエンジンの排気ガス(DEP)に含まれる微粒子があやしいという研究者がいます。すなわち、通常の自動車の排気ガスではなく、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる細かいすす(微粒子=DEP:Diesel Exhaust Particles)が花粉症の症状を悪化させるという報告があります。これはディーゼルエンジン内の不完全燃焼により産生されますが、体内に入ると、通常の3~4倍ものスギ花粉に対する抗体が作られ、スギ花粉に敏感に反応するようになってしまう結果、花粉症症状がひどくなってしまいます。スギ花粉のみならず他の植物花粉アレルギーにもあてはまりますし、花粉症だけでなく、気管支炎、喘息、肺ガン等の増加に関連があるとされていますので、トラックなどの通る1号線沿いにお住まいの方は風の流れに注意して窓の開閉をすることや、道路沿いを歩く際は、花粉症の季節かどうかは関係なくマスクの使用をお勧めします。

Q. 今年の花粉症はひどく、鼻閉が強いためにおいがわからなくなりました。それと同時に味覚も弱くなった時がありますが、どうしてでしょうか?(61才、女性)

A. においに対する感覚を嗅覚といいます。この嗅覚を感じる場所は、鼻の奥の目と目の間の部分の鼻粘膜にあり、多くのひとは数千種類のにおいをかぎ分けることができます。鼻腔内の嗅粘膜には、においを感じる嗅細胞(直径40-50ミクロン)があり、人では約4千万、においに敏感な犬では約10億の嗅細胞があります。嗅細胞の先端からは1-30本の線毛が生えており、におい物質にふれることによってそのにおいに対する感覚が生じます。嗅覚は鼻の穴から入ってくる嗅素と、口腔内で発生し後鼻口を通じて鼻腔に到達する嗅素との両方を感じ取っています。ちょうどワサビを食べたときに、痛烈なツーンとくる感覚を覚える場所と考えられます。また、そばを食べた時、のど越しにそばの絶妙な香りを楽しむことも同じ経路で嗅覚を感じています。そんな理由で嗅覚が障害されると、まるで味覚までが障害されたような気がします。このような味覚そのものには異常がない状態を、純粋な味覚障害と区別して風味障害ということがあります。

Q. 昨シーズン春スギ花粉症に悩まされました。今年のスギ花粉量は多いとテレビで放送していましたが、どうでしょうか?(29才女性)

A. 昨シーズンは比較的少ない花粉量だったのですが、多くの方が症状に苦しみ受診されました。 スギ花粉研究者のおかげで、高い精度で花粉飛散の予測ができており、対策を効率よくたてられています。気象条件から冷夏の翌年が猛暑だとスギ花粉は豊作で、その翌春が花粉大飛散となりますので、今年も飛散量が比較的多い可能性があります。しかしながら、テレビの放送内容は関東中心の飛散量の情報のため、もう少し関西では少ないようです。 今年のスギ花粉の大量飛散のピークは2月10日から20日と考えますが、枚方、交野、八幡、寝屋川地域は、スギ花粉時期以降のヒノキ、イネ科花粉もあった昨シーズンに引続き多いようです。今までの患者さんを診ていますと、症状があったもののあまりひどくない方のグループととても症状がひどいグループがあります。花粉飛散前からの予防的に薬物の内服や、レーザー治療等の鼻内粘膜の焼灼術をされた方は、比較的症状が軽く、はじめてスギ花粉症の発症の方や、油断されて内服治療されなかった方のグループに、症状のひどい方が多いように思います。

Q. 最近、トマトやメロンをたべた後、口の中がかゆくなります。なんでしょうか?(29才女性)

A. スギ、ヒノキの花粉症は終了し、枚方地域はカモガヤやカラスノテッポウ等のイネ科花粉が多く飛びこの花粉症で苦しんでいる方が多いと思います。この質問された方は、これらの花粉症はないでしょうか? 果物を食べた後に口やのどが痒くなったり腫れぼったくなる果物アレルギーを起こす方の中に、花粉症から誘発されるものがあることが判ってきており、近年注目されています。これは花粉の抗原と果物の抗原に一部似た部分があり、花粉症の人が特定の果物を食べると口腔粘膜を中心に交差反応というアレルギー反応が起こるためで、口腔アレルギー症候群と呼ばれています。多くは食べて数10分間、口から耳やのどの奥にかけての痒みや痛みを感じが起こる程度で収まるのですが、中には喘息の誘発、下痢やアナフィラキシー・ショックと呼ばれる重篤な全身反応を起こすこともあり注意が必要です。北海道ではシラカバ、ハンノキ花粉とモモ、リンゴ、サクランボとの関係とが代表的ですが、枚方地域ではスギ、ヒノキ花粉症の方では、トマト、メロン、リンゴ、モモ等との関係やイネ科花粉症ではトマト、メロン、セロリ等との関係ブタクサ、ヨモギ花粉症ではメロン、セロリ、ニンジンとの関係がわかっています。

Q. 10月の終り頃からくしゃみ、鼻水、鼻閉がありますが、何か花粉が飛んでいるのでしょうか?(32才、女性)

A. 多分、秋後期に花が咲くセイタカアワダチソウの花粉症だと考えます。家の近くや散歩道に、太く、短い毛が密生した茎の先に円錐状の大きな花穂を沢山つけ群生している植物はありませんでしょうか? 多数の黄色い花が咲きますでよく目立ちます。枚方市内のいたるところで咲いていますが、10月末に確認した範囲でいうと今年は50cmぐらいの背の低いセイタカアワダチソウが明倫小から高陵小を結ぶ中宮団地の歩道に多く咲いており、山田池や淀川河川敷には1-2m背の高いつぼみをつけたアワダチソウがあり11月の中頃には花が咲きそうです。昨年多かった天の川周辺は、市の方が除草されたのかまたは昨年増えすぎて自然に増えない状況(自家中毒)になったのかあまり見かけず症状のある方も少ないようです。 一説では、この花粉ではアレルギー反応がおこらないとされていますが、私の経験からすると必ず花粉症をおこします。この花を採取し院内の展示用のため院内に持込んだとたん、当院職員がくしゃみ、鼻水が止まらなくなり、びっくりしました。同時にその花を持込んだ院長も同じ症状が出てしまい院長の花粉症があることがわかりました。

がんのお悩み

Q. 2ヶ月前から声嗄れと血のまざった痰が続いています。喉頭がんが気になりますが、女性でもなるのでしょうか?(67才、女性)

A. 喉頭癌は60歳以上に発病のピークがあり、発生率は10万人に3-4人程度です。危険因子としてはタバコとお酒です。これらの継続的刺激が発癌に関与するといわれており、喉頭癌の方の喫煙率は90%以上、またアルコールの多飲が声門上癌の発生に関与すると言われています。男女比は10:1で圧倒的に男性に多いという特徴がありますが、ヘビースモーカーの女性で喉頭癌になられた方は結構おられます。声帯にできる喉頭癌でほぼすべての方に嗄声(させい、声がれ)がみられます。かなり聞きづらい嗄声で良性の声帯ポリープとは違っていることがほとんどです。進行してくると痰に血がまざったり、呼吸が苦しくなってきます。1ヶ月以上嗄声が続く場合は専門医を受診していただき調べて頂いたほうがよろしいです。一般に早期癌では放射線を第一選択にその効果をみて手術を組み合わせていきますが声を残せるかどうかの判断が重要になってきます。進行癌では手術が中心となり場合により放射線、抗がん剤を組み合わせていきます。手術には大きく分け喉頭部切術と喉頭全摘術があります。喉頭部分切除術は早期癌に行われ、声帯を一部残す手術です。質は多少悪くなりますが声をのこすことができます。喉頭全摘術は部分切除の適応を逸脱した早期癌や進癌におこなわれ声は失われますので、術後食道発声や気管食道形成術などの代用発声で補う事になります。

Q. 右の耳の下に1cmぐらいのしこりがあります。なんでしょうか?(38才、女性)

A. 両側もしくは片側の頚部のしこりがある場合、それはリンパ節が腫れている状態を考えます。頸から上のどこかに強い炎症か腫瘍がある可能性がありますが、この理由として頭部、顔面のリンパ液の流れはすべて頚部に集まるからです。例えば扁桃腺の炎症、歯肉部の炎症や結核でも頚部のリンパ節が腫れますし、無痛性で動きの悪い頚部のリンパ節の腫れが徐々に大きくなるようなら、腫瘍に関係する場合もあります。頚部のリンパ節から発生するガンはまれですが、若い女性の場合悪性リンパ腫などリンパ球組織由来の腫瘍が発生しますので注意が必要です。鼻の奥から喉頭部分までを咽頭といい、上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれています。そのいずれからもガンが発生しますが、上咽頭ガンは東南アジアでは非常に多く、日本でも南方ほど発生率が高いといわれ、ある種のウイルスとの関係が注目されています。これらの咽頭ガンは原発巣の症状は出にくいのですが、リンパ節に転移して初めて判ることも多くその発見が遅れがちになりますので注意して下さい。そのような場合、頚部リンパ節だけを採取し顕微鏡で見て確認することもあります。

Q. のどの違和感があり、近くの診療所にいきました。甲状腺にかたまりがあるといわれましたが、甲状腺ホルモン等の採血による検査結果は問題ないといわれました。今後どのようなことをするのでしょうか?(女性、49才)

A. のどの違和感というのは非常に気持ち悪いものです。過去に500例近くの甲状腺に関する手術をしてきましたが、甲状腺腫瘍の方も結構この違和感を主訴として来られます。まず手指で首の部分をよく触る触診でかなりの情報を得ることができます。当然これだけでは不十分なので超音波(エコー)検査をおこないます。少しでも腫瘍が疑われたら、直接腫瘍部分に針を刺しその細胞を採取して顕微鏡で観察する穿刺吸引細胞診をしなければなりません。この検査は1回ではなかなか判断できない時もあり、経過をみながら複数回することもあります。もしこの検査で甲状腺の癌細胞がみつかれば手術の適応になります。良性の甲状腺腫瘍が疑われた場合、年齢、性、腫瘍の大きさや形状、経過等を考えて手術の有無を相談して決めますが、大きさが2-3cm以上の直径を持つ腫瘍ならば、手術による摘出することを勧めます。

Q. 首から上にできる癌の治療について教えてください。(67才、男性)

A. 首から上の頭頸部には多様な癌が発生し、舌癌を含む口腔癌や、咽頭癌、喉頭癌、甲状腺癌、鼻副鼻腔癌、食道癌、唾液腺がんなどがあります。体全体にできる癌のうちの5-8%にあたります。これらのうち日本で最も多いのが舌癌であり、次に喉頭癌、咽頭癌です。舌癌は早期に見つかるチャンスが高く、早期に治療することができるので、舌に腫瘤を感じたら出来るだけ早く受診することをお勧めします。進行癌の場合は広範囲切除と遊離移植弁による再建を必要とすることが多くなりますのでその分入院期間が長くなります。喫煙者では喉頭癌のリスクが高く、進行癌では喉頭摘出を必要とし声を失うことになりますが、早期に発見できれば放射線で治療することができ、声を保存することが可能です。現在日本では、早期喉頭癌に対して出来るだけ非侵襲的な治療を目指しており、その治療効果も上がってきています。咽頭癌は手術が基本になりますが術後の嚥下機能が問題となります。腫瘍切除後の遊離移植皮弁による再建と術後の食物摂取や発声のリハビリテーションが日常の生活への復帰のため重要な課題とされています。また、下咽頭癌や食道癌は、治療の比較的難しい疾患ですが、化学療法、手術、放射線治療を併用することで治療成績が向上しており、特に、化学療法の導入により従来喉頭まで切除しなければならなかった方でも、喉頭を温存して治療することが可能となってきました。

Q. 2ヶ月前から首にしこりができていますが、あまり痛くありません。 だんだん大きくなりそのしこりの数も増えているような気がします。どんな病気でしょうか?(39才、女性)

A. 片側または両側の頚部のリンパ節が腫れる場合、頸部から上のどこか例えば扁桃腺炎等の強い炎症か腫瘍のある可能性があります。それは、頭部、顔面のリンパ液の流れはすべて頚部に集まるからです。通常扁桃腺炎等の炎症が原因の場合そのリンパ節は痛みを伴いますが、無痛性で動きの悪い頚部のリンパ節のしこりが徐々に大きくなるようなら、早めに耳鼻科専門医に診てもらった方がよいでしょう。頚部のリンパ節から発生する癌はまれなので、それより上のどこかに原発巣が存在する可能性が高いのです。そのような場合、頚部リンパ節だけを取っても問題は解決されません。柔らかいリンパ節のしこりの場合でも悪性リンパ腫という病気や結核等がありますので、油断できません。その他、耳鼻咽喉科領域には、唾液腺、甲状腺、まれに中耳や食道等からも悪性腫瘍が発生します。いずれにしろ、首で何か異常に気付いたら、迷わずに耳鼻咽喉科の専門医を受診することです。自分は癌ではないかと悩んで来院される患者さんのほとんどは、実際癌ではありません。それをはっきりさせれば、気分的に楽になれますし、例え癌であっても、早期なら治癒率は現在十分高くなっています。

Q. 近くの病院で甲状腺に腫瘍がある可能性を指摘されました。甲状腺ホルモン等の採血による検査結果は問題ないといわれましたが今後どのようなことをするのでしょうか?(女性、57才)

A. 過去に500例近くの甲状腺に関する手術をしてきましたが、まず手指で首の部分をよく触る触診でかなりの情報を得ることができます。当然これだけでは不十分なので超音波(エコー)検査をおこないます。少しでも腫瘍が疑われたら、直接腫瘍部分に針を刺しその細胞を採取して顕微鏡で観察する穿刺吸引細胞診をしなければなりません。この検査は1回ではなかなか判断できない時もあり、経過をみながら複数回することもあります。もしこの検査で甲状腺の癌細胞がみつかれば手術の適応になります。良性の甲状腺腫瘍が疑われた場合、年齢、性、腫瘍の大きさや形状、経過等を考えて手術の有無を相談して決めますが、大きさが2-3cmの直径を持つ腫瘍ならば、手術による摘出することを勧めます。

その他のお悩み

Q. 先日3才の子供がおたふく風邪といわれました。気をつけなければいけないことは、なんでしょうか?(29才、母親)

A. ムンプスウイルスの感染がおこり耳の下(耳下腺)が腫れて痛がる病気です。たいてい左右とも腫れますが、片側だけの時もありますし時間がたって両方腫れるときもあります。かかりやすいのは2-7才の子供さんで、乳児はふつうかかりません。人によっては青年期にかかる方もいます。腫れは1週間でひきます。熱が出ることもありますが、3~4日で落ちつきます。熱や痛みをおさえる薬を処方します。痛いときは冷湿布をしてもよいでしょう。気をつけることは、すっぱいものやよく噛まなければいけないものは避けましょう。油分や炭酸飲料も控えてください。高い熱があるときや痛みが強いとき以外は、かまいません腫れがひくまでは他の子にうつります。約1週間かかります。また、登園・登校には治癒証明が必要です。頭痛が強く、何度も吐く時(髄膜炎を合併することがあります)、1週間たっても腫れがひかない時(他の病気を疑います)、熱が5日以上続く時(他の病気を疑います)、耳の下の腫れが赤くなった時(化膿性耳下腺炎を疑います)、睾丸をはれて、痛がる時(睾丸炎を合併することがあります)ので再度の受診を勧めます。

Q. ふとんに横になったとたん世の中がぐるぐる回りました。数十秒だったのですが気分が悪くなりました。寝返りをしても同じようなことがおこりました。どうしたのでしょうか?(61才女性)

A. 今年の8月後半から同じような症状の方が沢山受診されています。少し寒くなり気圧の変化などが影響しているのかもしれません。病気の原因として、50才前後から起こりやすいめまいは、体のバランスを調整するシステムの異常が考えられます。体のバランスを保つために大事なのが、耳の奥にある内耳の半規管と耳石という部分です。この場所が体の位置や動きを常に判断しますが、ここの情報と目や足から感じた情報を脳に送り、脳がそれらの情報を一つにまとめ体のバランスが保たれます。ぐるぐる回るめまいの原因は脳の病気とメニエール病、前庭神経炎や良性発作性頭位変換めまい症などの内耳のなかで起こる病気があります。特に40才以上の女性には、良性発作性頭位変換めまい症が多い様に思います。診断として、ご本人のお話と共に特別なメガネ(フレンツェル)を使用して、頭位の変化による眼振の有無を確認することでわかりますし、新しい治療方法も開発されてきていますので過度の心配は必要ありません。

Q. 主人が40才になり、運動不足のためか体重が65キロから80キロになりました。最近、夜寝ている時に呼吸が止まり、その後突然あざらしみたいな声を上げ息をしだします。特にアルコールを飲んだ時はひどく、うるさく眠れません。 どうなっているんでしょうか?(37才、女性)

A. 肥満になると脂肪が皮膚の下の部分につくだけでなく、舌、口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋部分をはじめ、息のとおる気道部分についてしまいます。このため気道の空気の通りが悪くなり、ひどくなると睡眠中に呼吸が停止してしまいます(睡眠時無呼吸)。当然、脳が酸素不足になるため酸素を取り入れようとして、呼吸中枢を刺激します。この刺激により覚醒に近い状態になり、睡眠が中断され深い眠りが得られなくなります。これが繰返されると、睡眠時間は足りていても脳は休憩できず昼間の居眠りや集中力の低下をひきおこします。さらに、アルコールは筋肉を緩める働きがありますので、口腔、咽頭や頚部の周囲を取巻く筋肉が緩むとさらに気道は狭くなり呼吸停止を起こしやすいです。この状態が続くと慢性的な血中酸素濃度が低下するため、高血圧や心不全・脳血管障害をひきおこすことになります。 自宅でおこなう簡易な無呼吸検査の器械がありますので、一度検査をされてはいかがでしょうか?

Q. 家族からインフルエンザの予防のためワクチン接種を勧められました。今までかかったことはないのですが、する必要があるのでしょうか?(75才 男性)

A. 日本におけるインフルエンザの流行拡大は、小学校で始まると考えられています。小学生の罹患率が高く、その後家庭で幼稚園児、乳児、両親と家族内感染をおこし、その後高齢者へ感染していきます。そういう意味で高齢者の罹患率は低いのですが、逆に肺炎や気管支炎を続けておこしてしまうとその死亡率は高くなりハイリスクグループとして大変注意する必要があります。昨シーズンの枚方市内では、比較的インフルエンザの流行は少なくあまり問題はなかったようですが、今シーズンは11月の時点で大阪でのインフルエンザ感染が既に多く報告され、当院でも11月25日までに2例確認されていますので流行拡大を注意する必要があります。ご質問者は75才男性とのことで、高齢者としての経済的補助があり無料となりますのでワクチン接種をされることをお勧めします。この他インフルエンザ流行を防ぐ意味で、交通関係、金融関係、書籍関係、商店飲食関係や美容院等年末に忙しくなる職種の方にもワクチン接種をお勧めします。

Q. 友人が空手の試合中、目の部分を殴られました。救急病院で目の周囲にある骨が折れている眼窩壁骨折といわれ、耳鼻科でみてもらうようにいわれました。どのような病気でしょうか?

A. 眼窩壁骨折は、傷害事件、交通外傷またはボクシング等のスポーツ外傷で目の部分に外力が加わり、目を囲む骨(眼窩壁)が骨折することで、眼窩内容物が鼻の奥の空洞(上顎洞、篩骨洞)へ出てしまう状態をいいます。物が二重に見えたり(複視)、眼球運動障害がおこりますが、時に顔面骨骨折や頭蓋低骨折等の他の合併症することがありますので注意が必要です。受傷された直後は、できるだけ安静にして強く鼻をかまないようにしてください。部位にもよりますが、受傷直後に明らかな複視や眼球運動障害があっても、1週間程度の保存治療でかなり良くなることが多く緊急手術をせず様子を見ます。どうしても症状の改善しない場合や、眼窩内容物の逸脱程度が強い場合は整復術の適応となりますが、最近は鼻内から内視鏡を使用して(鼻内内視鏡手術)、逸脱した内容物を元に戻す手術がよく行われています。

Q. 咳が1ヶ月以上続きます。友人が結核になり入院治療をしていますが、どんな病気か教えてください。(27才、男性)

A. 結核は古い過去の病気ではありません。現在でも年間2,300人結核で亡くなっています。結核菌によって主に肺に炎症を起こす伝染病です。結核の患者さんがせきやくしゃみをした時に飛び散る「しぶき」の中の結核菌が空気中に浮いていて、その空気を吸い込むことによって別の人に感染します。最初のうちはかぜにそっくりです。せきや痰、微熱など「かぜによく似た症状」がでます。これが2週間以上続く場合は注意が必要です。全身の倦怠感、体重減少なども見られます。放っておき症状が進むと、胸の痛みがでたり、血痰や吐血することもあります。痰の中に菌を出していない患者さんの場合は、他の人にうつす心配はありません。結核菌が肺に入ると身体の防衛システム(免疫機能)が働いて、結核菌を封じ込めようとします。この防御システムが働いた状態を「感染」といいます。つまり結核に感染した(うつった)ということです。しかし免疫力や抵抗力の低下によってこの封じ込めに失敗し結核菌が増殖し活動を始めると「発病(結核になる)」といいます。発病するのは感染した人の1割程度です。ほとんどの場合、菌は封じ込められたままとなり発病しません。このような人は免疫が出来上がっていますから、その後結核菌を吸い込んでも感染することはありません。ただ、最近、若い頃結核に感染した人が年をとって抵抗力が低下し、結核菌が活動を始めて発病するというケースが増えていますので、特に高齢者は注意が必要です。感染して1~2年で発病する場合と、何年も経って高齢や糖尿病で体が弱ってきたときや無理なダイエット、不規則な生活、またなどで免疫力が弱まっているときは、眠っていた結核菌が目を覚まし発病する場合があります。平成19年4月1日から結核と診断した医師は保健所へ直ちに届け出る義務があり、それをもとに保健所から担当保健師が患者さんを訪問するというシステムが整えられています。何でもご相談なさることをお勧めします。結核患者、特に痰の中に結核菌が出ている人が発見された場合、「接触者検診」といって家族、職場の人など、日常患者さんと接触する機会の多かった人たちを対象とした検診が行われます。検診の範囲などは、さまざまな状況から保健所長が判断します。もし接触者検診の対象となった場合は、症状がないからなどと言わずに、必ず保健所の指示に従って検診を受けてください。この検診は無料です。ご家族に乳幼児がいる場合は、早めに病院、あるいは保健所にご相談ください。保健所が患者さんの治療や家族の健康など、あらゆる相談を受けてくれます。

Q. 歯を磨いた後うがいをするため上を向いたり、おじぎをしたりすると目がぐるぐる回りました。せいぜい数秒から数十秒だったのですが気分が悪くなりしゃがみこんでしまいました。何か深刻な病気でしょうか。(49才女性)

A. 50才前後から起こりやすいめまいは、体のバランスを調整するシステムの異常が考えられます。体のバランスを保つために大事なのが、耳の奥にある内耳の半規管と耳石という部分です。この場所が体の位置や動きを常に判断しますが、ここの情報と目や足から感じた情報を脳に送り、脳がそれらの情報を一つにまとめ体のバランスが保たれます。ぐるぐる回るめまいの原因は脳の病気とメニエール病、前庭神経炎や良性発作性頭位変換めまい症などの内耳のなかで起こる病気があります。特に40才以上の女性には、良性発作性頭位変換めまい症が多い様に思います。診断として、ご本人のお話と共に特別なメガネ(フレンツェル)を使用して、頭位の変化による眼振の有無を確認することでわかりますし、新しい治療方法も開発されてきていますので過度の心配は必要ありません。

Q. 7月に枚方市内に新築のマンションを買い引っ越してきました。入居後、のどが痛くなったり、鼻水や、鼻閉等の鼻症状と共に咳や顔が痒くなったり胸が痛くなります。これも花粉症の症状でしょうか?それとも新しいマンションに原因があるのでしょうか?(38才、女性)

A. 枚方市内で、7月以降の花粉飛散はイネ科の花粉を除き激減しますので花粉症は考えにくいです。新築やリフォームした住宅に入居した人の、目がチカチカする、喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛がするなどの「シックハウス症候群」が問題になっています。その原因の一部は、建材や家具、日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレンその他)などの揮発性の有機化合物と考えられています。「シックハウス症候群」については、まだ解明されていない部分もありますが、化学物質の濃度の高い住宅でかつ気密性が高く喚起の不十分な空間で長期間暮らしていると、様々な健康に有害な影響が出るおそれがあります。最近このシックハウス症候群を疑わせる患者さんがよく来られますが、室内の有機化合物の検索とご本人のホルムアルデヒトの感受性を勧めています。個人で検査キットは購入できますので、この値を厚生労働省室内化学物質濃度指針値(化学物質室内濃度の大きな目安)と比較されてはどうでしょうか。ちなみに当診療所では基準値を超えていませんでした。

Q. 朝起きて、お化粧のため口紅を塗ろうとした時、唇が動かないことに気づきました。翌日どんどん進行していき、水が口からこぼれる、右目をちゃんと閉じることができない、目のピントが合わない(2重に見える)、おでこの右側のしわがよらなくなりました。まず何科で見てもらうのがいいのでしょうか?(34才,女性)

A. ある日突然顔の半分、あるいは一部分が思うように動かせなくなる状態のことを急性の顔面神経麻痺といいます。顔面神経は、顔面の筋肉を動かす大事な神経です。この神経は脳を出てから耳の骨の中を走り、骨から外に出ると、耳下腺の中で眼、鼻、口唇に向かう3つの枝に分かれて、それぞれの筋肉に分布します。この神経に何らかの病気が生じると、顔面麻痺が起きるわけです。神経の走る道筋の大部分が耳の骨、耳下腺、顔面は、すべて耳鼻科の領域内にありますので、万一この病気にかかったら、まず耳鼻咽喉科でよく原因を探す必要があります。そして早急に麻痺と原因疾患の治療を始めなければなりません。治療が遅れるほど麻痺の回復が悪くなるからです。原因で一番多いのは、ベル麻痺とよばれる特発性の麻痺ですが本態は循環障害による神経の腫れによると考えられています。次に多いのはヘルペスウイルスによる神経炎です。そのほか、頻度は高くありませんが中耳炎による神経炎や耳下腺の悪性腫瘍も原因となります。

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